車庫証明と自動車登録は、行政書士の中でいちばん件数の多い業務のひとつです。
そして単価がいちばん低い分野のひとつでもあります。
私は産業廃棄物を扱う会社で営業をしています。車を使う会社の中にいるので、車両を入れるたびに書類が発生する感覚は日常的にあります。
この分野は、集客の前に設計を間違えると、忙しいだけで終わります。そこから書きます。
この分野の性質

単価が低く、件数が多い
1件あたりの報酬は、許認可の中では低い部類です。
ただし発生する件数が桁違いに多いです。車は毎日どこかで売買され、移転され、名義が変わります。
依頼の大半は個人からではない
ここがこの分野の最大の特徴です。
車を買う人は、自分で車庫証明を取りません。販売店が手続きごと引き受けます。そしてその販売店が、行政書士に出します。
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個人 → 販売店 → 行政書士
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つまり依頼者は、ディーラーや中古車販売店です。
個人向けにサイトを作っても、そもそも個人は自分で探しません。ここを間違えると、何も起きません。
継続する。ただし契約ではなく習慣で
一度取引が始まると、その販売店から毎月のように依頼が来ます。
ただし顧問契約のような形ではありません。「いつもの行政書士」という習慣になるだけです。
習慣なので、切れるときも理由なく切れます。対応が遅い、連絡が取れない。それだけで次から別のところに行きます。
では、どう取るか

販売店に直接行く
この分野は、検索よりも足で取るほうが早いです。
地域の中古車販売店、整備工場、カー用品店の販売部門。法人ディーラーは既に付き合いのある行政書士がいることが多いので、まずは中小からです。
持っていくのは1枚の紙で足ります。
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対応エリア(どの警察署まで行けるか)
料金
何日で終わるか
連絡先
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この分野で聞かれるのは、ほぼこの4つです。専門性の説明は要りません。
→ 「行政書士の営業・テレアポのやり方」
他の行政書士から流れてくる
意外と多い経路です。
自分の管轄外の警察署の案件を、その地域の行政書士に回す。この分野は地理で分業が成立します。
隣接する地域の行政書士と知り合っておくと、双方向で仕事が回ります。
検索から来るのは、少数だが単価が良い
個人が自分で探すのは、販売店を通さないケースです。
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個人売買で車を買った
引っ越しで住所が変わった
相続で車の名義を変える
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件数は少ないですが、価格競争になりません。販売店向けの値段と同じにする必要はない層です。
とくに相続による名義変更は、手続きが複雑で単価も上がります。そして相続の相談につながることがあります。
サイトには何を書くか
販売店向けと個人向けで、書くことが違います。
販売店向け
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対応できる警察署・陸運局
1日に受けられる件数
料金(枚数や距離による差も)
引き取りと納品の方法
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量をさばけるかどうかが見られています。「丁寧に対応します」はここでは意味がありません。
個人向け
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引っ越しで住所が変わったとき
個人売買で名義を変えるとき
相続で車を引き継ぐとき
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状況の言葉で書いてください。「車庫証明」という言葉を知らない人も検索しています。
→ 「行政書士のSEO対策入門」
地域名は必ず入れる
この分野は完全に地理で決まります。管轄の警察署に行ける人しか受けられません。
Googleビジネスプロフィールにも、「車庫証明」「自動車登録」と具体的に書いてください。費用0円です。
→ 「行政書士のMEO集客」
単価が低い分野の回し方

ここがこの記事の本題です。
単価が上げにくい以上、1件あたりの時間を削るしかありません。
① 移動をまとめる
この分野の時間は、ほとんど移動です。
同じ警察署の案件を同じ日にまとめる。それだけで1件あたりの時間が大きく変わります。
そのためには、ある程度の件数が必要です。1件ずつ受けていると、移動だけで採算が合いません。
② 書類のやり取りを型にする
毎回同じ書類です。販売店に渡すチェックリストを作って、最初から揃えてもらう。
不足があると往復が増えます。往復1回で、1件分の利益が消えます。
③ 受ける件数に線を引く
増やしすぎると回りません。
そして回らなくなると、対応が遅れて、習慣が切れます。切れた取引先は戻ってきません。
入口として使う
この分野だけで食べようとすると、件数に追われます。
販売店と付き合うと、その会社自体の手続きが見えてきます。古物商の許可、運送業、産廃の収集運搬。会社が動けば手続きが出ます。
→ 「古物商許可の行政書士」
車庫証明を入口にして、その会社の他の手続きにつなげる。この形にできると、単価の低さが問題でなくなります。
まとめ
- 車庫証明・自動車登録は単価が低く、件数が多い分野
- 依頼の大半は個人ではなく、ディーラーや中古車販売店から
- 個人向けのサイトだけ作っても、個人は自分で探さない
- 一度始まると続くが、契約ではなく習慣。対応が遅れると理由なく切れる
- 取り方は販売店に直接行くのがいちばん早い。まずは中小から
- 聞かれるのはエリア・料金・日数・連絡先の4つだけ
- 他の行政書士から流れてくる経路もある。地理で分業が成立する
- 検索から来る個人は少数だが、価格競争にならない。とくに相続の名義変更
- サイトは販売店向けと個人向けで書き分ける
- 単価が上げにくいので、1件あたりの時間を削る。移動をまとめ、書類を型にする
- 受ける件数に線を引く。回らなくなると習慣が切れる
- 入口として使う。販売店の他の手続きにつなげると、低単価が問題でなくなる
よくある質問
Q. 単価が低いのに、やる意味はありますか。
入口としての価値があります。販売店と継続的に接点ができるので、その会社の他の手続きが見えてきます。ただしこの分野だけで回そうとすると、件数に追われます。
Q. どこから営業すればいいですか。
地域の中小の販売店や整備工場からです。大手ディーラーは既に付き合いのある行政書士がいることが多いです。
Q. 料金はどう決めますか。
販売店向けと個人向けで分けて構いません。販売店は件数が前提なので価格に敏感ですが、個人は比較相手がいません。相場は連合会の報酬額統計で確認してください。
Q. 対応できるエリアはどう決めますか。
移動時間で決めてください。遠い警察署を受けると、1件の移動で半日が消えます。まとめて回れる範囲に絞るほうが、結果的に受けられる件数が増えます。
Q. 繁忙期はありますか。
車の売買が増える時期に連動します。件数が増える時期に受けきれないと、そこで習慣が切れます。線を引く判断が必要です。
Q. ホームページは必要ですか。
販売店は紹介と訪問で取るので、サイトだけでは取れません。ただし渡した紙を見て検索されるので、受け皿としては要ります。判断は「行政書士にホームページは本当に必要か」で書いています。
