「行政書士に登録しようと思ったら、事務所を誰かが見に来るって本当?」
本当です。しかも来るのは一般のスタッフではなく、担当支部の支部長です。
私は2025年度の試験に合格して、いま登録の準備をしている立場です。自分の体験ではなく、先輩から聞いた内容をもとに、何を見られるのかをまとめます。
事務所の要件は都道府県の行政書士会によって異なります。最終的には必ず、所属予定の会に確認してください。
▲ この記事はこちらの動画をもとに作成しています。あわせてご覧ください。
誰が来るのか
事務所調査は、担当支部の支部長(行政書士の先生)が実際に訪問して行います。
兵庫県であれば、姫路支部・神戸支部・阪神支部など地域ごとに支部が分かれており、登録先の支部長が来訪します。
「一般のスタッフが軽くチェックする」ようなものではありません。会の中でも責任ある立場の先生が直接来ます。
ここで驚く方が多いです。軽く考えて準備していないと、そこで止まります。
何を見られるのか

① 事務所の独立性・プライバシー
いちばん基本の項目です。
「事務所として独立して機能しているか」を見られます。
自宅兼事務所の場合、リビングなどプライベートな空間が外から見えないようになっているかを確認されます。
依頼者の個人情報を扱う場所として、適切に区切られているかが重視されます。
② 鍵付き金庫の有無
これがいちばん見落とされます。
行政書士は依頼者の重要書類や個人情報を扱います。そのため、鍵のかかる金庫(または書類保管庫)が事務所に備わっているかを確認されます。
ないと登録審査が通らない場合があります。事務所を整える段階で、必ず用意しておいてください。
後から買えばいい、では間に合いません。調査の当日に無いと、その場で指摘されます。
③ 他士業との分離
税理士事務所など他の士業の事務所と同じ場所で行政書士業務も行う場合、業務スペースが明確に分けられているかも見られます。
「同じ机で両方やる」という形は、問題になることがあります。
都道府県によって要件が違う
ここがいちばん注意すべき点です。
事務所の要件は、都道府県の行政書士会によって異なります。
実際にあった例
個室型のコワーキングスペースについて、利用できるかどうかは会ごとに判断が違います。
実際に個室型のスペースを内見したところ、行政書士は入居不可で、社会保険労務士のみ可というケースもあったそうです。
行政書士と社労士とで、事務所の要件が違うためと考えられます。
だから、ネットの情報で判断しない
「この形で登録できた」という話は、その人の都道府県での話です。
必ず自分の所属予定の会に確認してください。入会説明会は、こういうことを直接聞ける数少ない機会です。
→ 「行政書士合格後の流れ|説明会の予約から登録・開業まで」
設備だけではありません

登録申請者の「品格」も審査の対象になります。
厳しさは会によって異なりますが、次の点が問われることがあります。
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SNSやYouTubeでの発言内容
ブログ記事の内容
過去の社会的な行動
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発信の内容が問題になった例
「合法的に社員を辞めさせる方法」といった内容をブログで発信した行政書士が、問題視されて処分を受けたという事例が伝えられています。
アクセスを集めたいがために過激なタイトルをつけることは、登録後のリスクになりかねません。
これは、私自身の課題でもあります
合格してから、ブログとXで発信をしています。
だから他人事ではありません。書いた内容は残りますし、登録のときに見られる可能性があります。
とくに気をつけているのは、この2つです。
断定を避ける。 会の規程に関わること(広告表現・事務所要件・紹介料)は、「所属会に確認してください」と書く。自分の会の話を、全国の話のように書かない。
煽らない。 数字を取りたくて過激なタイトルをつけない。一時的に伸びても、残るのはアカウントの印象のほうです。
→ 「行政書士のSNS集客|X・Instagramの使い分け」
開業前から、士業としての品格を意識した発信を心がけることが大切だと、自分にも言い聞かせています。
開業前の確認チェックリスト

| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 事務所の独立性 | プライベートな空間と事務スペースが分かれているか |
| プライバシーの確保 | 外からリビング等が見えない構造になっているか |
| 鍵付き金庫 | 書類・情報を保管できる鍵付きの金庫があるか |
| 他士業との分離 | 共用する場合、スペースが明確に区分されているか |
| 都道府県の規定 | 自分の所属予定の会の要件を確認したか |
| SNS・ブログの見直し | 士業の品格に反する発信がないか確認したか |
順番としては、会への確認がいちばん先です。
物を買ってから「その形では登録できない」と分かると、費用が無駄になります。
まとめ
- 事務所調査は、担当支部の支部長が実際に訪問して行う
- 一般のスタッフによる軽いチェックではない
- 事務所の独立性とプライバシーの確保が基本。自宅の場合はリビングが見えないか
- 鍵付き金庫は見落とされやすい。ないと審査が通らない場合がある
- 他士業と同じ場所で行う場合は、スペースの区分も見られる
- 要件は都道府県の会によって違う。個室型コワーキングの可否も会ごとに判断が異なる
- 「この形で登録できた」はその人の会での話。ネットの情報で判断しない
- 設備だけでなく「品格」も審査の対象。SNS・ブログ・過去の行動
- 過激なタイトルで数字を取りにいくことは、登録後のリスクになる
- 順番は会への確認が先。物を買ってからでは費用が無駄になる
よくある質問
Q. 自宅でも登録できますか。
所属する行政書士会の規程によります。独立性やプライバシーの確保について定めがある場合があります。住所の扱いも含めて「行政書士は自宅で開業できるか」で整理しています。
Q. 鍵付き金庫はどんなものでいいですか。
仕様については会の指定を確認してください。重要なのは「鍵がかかる保管場所があること」です。調査の当日に用意されていない状態を避けてください。
Q. コワーキングスペースは使えますか。
会によって判断が異なります。個室型でも行政書士は不可というケースが報告されています。契約する前に、必ず所属予定の会に確認してください。
Q. 過去のSNS投稿は消したほうがいいですか。
判断は人によりますが、士業の品格に反する内容があるなら見直す価値はあります。書いたものは残ります。
Q. 調査はいつ行われますか。
登録の手続きの流れの中で行われます。時期や段取りは会によって異なるので、入会説明会で確認するのが確実です。
Q. 事務所を借りるのはいつがいいですか。
要件を満たせるなら、最初は自宅のほうが安全です。固定費が上がると判断が焦ります。考え方は「行政書士の廃業を防ぐ経営のポイント」で書いています。
この記事について
行政書士登録の経験者から聞いた内容をもとに、2025年度の試験合格者である筆者がまとめています。
事務所の要件は都道府県によって異なります。必ずご自身の所属予定の行政書士会にご確認ください。
