行政書士の営業・テレアポのやり方

行政書士の営業・テレアポのやり方 集客・開業

テレアポは嫌われる手段です。実際、多くの場合は勧めません。

ただし条件が1つ揃うと、話が変わります。「いま困っている先」を名簿から絞り込める分野では、テレアポは今も機能します。

闇雲にかけるのが無駄なだけで、相手が実際に困っているタイミングでかける電話は、営業ではなく情報提供になります。この違いが分かると、やる価値のある分野が見えてきます。

機能する分野・しない分野

テレアポが機能する分野と機能しない分野を、期限が読めるかどうかで比較した表

分かれ目は「困る時期が外から読めるか」です。

機能する分野

建設業許可 … 毎年の決算変更届、5年ごとの更新。時期が決まっています。

産業廃棄物 … 5年更新。許可業者の一覧は都道府県が公表しています。

運送業 … 毎年7月の実績報告。期限が全国共通です。

宅建業 … 5年更新。免許番号のカッコ内の数字で、更新回数が分かります。

これらは「そろそろ期限ですよね」と言える相手が特定できます。電話の内容が、売り込みではなく確認になります。

機能しない分野

相続・遺言・離婚 … いつ発生するか読めません。しかも個人宅への電話は、それ自体が不快に受け取られます。

会社設立 … これから作る会社は、名簿に存在しません。

こうした分野は、検索やMEOのような待ちの手段で拾う領域です。テレアポで無理に取ろうとしないでください。

名簿はどう作るか

買う必要はありません。公表されている情報で足ります。

許可業者の一覧 … 建設業許可や産廃許可は、都道府県が業者名簿を公表しています。許可年月日が載っているものもあり、更新時期が逆算できます。

業界団体の会員名簿 … 建設業協会、運送業の組合など。

国土交通省のシステム … 建設業者の検索ができます。許可の有効期間を確認できる場合があります。

ここから「自分の地域」×「期限が近い先」だけを抜き出します。100件の名簿より、20件の絞られた名簿のほうが成果が出ます。

電話のかけ方

テレアポの流れを、名簿づくりから架電、記録までの3段階で示した図

最初の15秒で用件を言う

長い挨拶は切られます。名前・何の件か・なぜ電話したかを15秒で。

> 「◯◯行政書士事務所の◯◯と申します。建設業許可の手続きを専門にしております。御社の許可が来年◯月に更新時期を迎えるかと思い、ご案内のお電話をいたしました」

「更新時期を迎えるかと思い」がある時点で、売り込み電話とは違って聞こえます。

売り込まない

初回の目的は受注ではなく、覚えてもらうことです。

「いまお付き合いのある先があれば、そちらで問題ありません。もし何かあればご連絡ください」。これで十分です。押すと二度と話を聞いてもらえません。

担当者を確認する

許認可の担当は、総務や経営者本人のことが多いです。取り次いでもらえなければ、名前だけ聞いて次回につなげます。

資料を送る許可をもらう

電話で決まることはほぼありません。「資料をお送りしてよいですか」まで取れれば、その電話は成功です。

記録する

かけた先、日付、反応、次の期限。これを残さないと同じ先に何度もかけることになります。エクセルで足ります。

反応が悪かった先も記録してください。期限が近づいた頃に、状況が変わっていることがあります。

DMには法律上の注意があります

紙のDM、メール、FAXは、それぞれ扱いが違います。ここは知らずにやると問題になります。

メール … 広告宣伝を含むメールは、特定電子メール法により原則としてあらかじめ同意を得た相手にしか送れません(一定の例外があります)。名簿のアドレスに一斉送信するのは避けてください。

FAX … 相手の紙とインクを使う送信なので、苦情につながりやすい手段です。送信の停止を求められたら必ず止める運用が必要です。

紙のDM … 上記の規制は直接かかりませんが、費用がかかります。絞った名簿に限って使ってください。

いずれも、広告の表現については所属する会の会則や倫理規程が適用されます。「必ず許可が取れます」のような表現は使えません。実施前に一度、所属会の規程を確認してください。

続けるための現実的なペース

テレアポを続けるための現実的なペースと、記録すべき項目を整理したチェックリスト

1日20件を毎日は続きません。数日で止まります。

週に1回、2時間だけ。10〜20件かける。これを半年続けるほうが、結果として量が出ます。

そして期待値を正しく持ってください。20件かけて、話を聞いてもらえるのが数件、資料を送れるのが1〜2件。そこから受注は、さらに先です。

この数字を知らずに始めると、「反応がない」と感じて止めてしまいます。実際には、その反応率で正常です。

まとめ

  • テレアポは「いま困っている先」を名簿から絞れる分野でのみ機能する
  • 機能するのは建設業許可・産廃・運送業・宅建業など期限が読める分野
  • 相続・離婚・会社設立は向かない。待ちの手段で拾う領域
  • 名簿は買わない。都道府県の許可業者一覧や業界団体の名簿で足りる
  • 100件より、絞った20件のほうが成果が出る
  • 最初の15秒で用件を言う。初回の目的は受注ではなく、覚えてもらうこと
  • メールでの広告送信は特定電子メール法で原則同意が必要。FAXも苦情につながりやすい
  • 週1回2時間を半年。毎日20件は続かない

よくある質問

Q. 反応率はどれくらいですか。

20件かけて、話を聞いてもらえるのが数件、資料送付まで進むのが1〜2件。これで正常です。受注はさらに先なので、1回の架電で判断しないでください。

Q. 断られるのが苦手です。

向いていない可能性があります。その場合は無理に続けず、紹介と待ちの手段に振ってください。手段は他にもあります。全体像は「行政書士の集客方法まとめ」にまとめています。

Q. 訪問営業のほうがいいですか。

分野によります。建設業や運送業は現場に人がいるため、近隣なら訪問が効くこともあります。ただし移動時間を考えると、電話で絞ってから訪問する順番が効率的です。

Q. 他士業への挨拶回りとは違いますか。

別のものです。挨拶回りは紹介ルートを作る行為で、テレアポは直接の依頼を取る行為です。優先度としては挨拶回りが先です。詳しくは「紹介を増やす仕組みの作り方」で書いています。

作るべきか、まだ待つべきか。
そこだけでもはっきりします。

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