「解決事例のページ、一応作ってみたんですけど、全然問い合わせにつながらなくて……」
先日、開業1年目の行政書士の先生から、こんなご相談をいただきました。実際にページを見せてもらうと、案件名と一言コメントが並んでいるだけ。正直に言うと、これは本当によくあるパターンで、書き方をちょっと変えるだけで反応が大きく変わるケースが多いんです。
この記事では、お客様が「この先生なら、私の問題も解決してくれそう」と感じる解決事例の書き方を、初心者の方でもすぐ実践できる5つのポイントに分けてご紹介します。シリーズ第1回でお伝えした「8つの要素」のうち、特に問い合わせに直結するのが、この解決事例です。
なぜ解決事例が、問い合わせを生む最強コンテンツなのか?
行政書士に相談しようと思うとき、お客様の頭の中では、こんな声が流れています。
「同じような相談、過去にあったのかな?」
「ちゃんと解決してくれるのかな?」
この不安を一気に解消するのが、解決事例です。「あなたと似たケースを、こうやって解決しましたよ」と具体的に見せることで、お客様は「ここなら大丈夫そう」と確信できます。
逆に言うと、どれだけ立派な経歴を載せても、解決事例がなければ「で、私のケースはどうなの?」という疑問は残ったままです。問い合わせ獲得という意味で、解決事例ほど投資対効果の高いコンテンツはありません。
解決事例に入れるべき5つの項目
解決事例は、自由に書こうとするとかえって筆が止まります。型を決めてしまうほうが、書く側もラクですし、読む側も比較しやすいので結果的に伝わります。
| 項目 | 書き方のポイント |
|---|---|
| タイトル | 検索キーワードを意識し、一目で内容が分かる言葉にする |
| 属性情報 | 年代・性別・職業・地域などで、リアリティを持たせる |
| 案件内容 | 3行程度で要約。読み手の負担を減らす |
| 対処法 | 専門用語を避け、注記を入れながら平易に解説する |
| 解決ポイント | 箇条書きでまとめ、一般化できる学びを添える |
① タイトル:検索する人の言葉で書く
タイトルは、検索エンジンとお客様の両方に向けて書きます。先生側の専門用語ではなく、お客様が検索しそうな言葉で組み立てるのがコツです。
悪い例は、業界内では分かりますが、お客様は「私のことかな?」と感じにくいです。良い例は、案件の状況・成果・期間が一目で分かるので、似た状況の方がクリックしたくなります。
② 属性情報:リアリティが信頼を生む
「30代男性/神戸市在住/製造業を営む個人事業主」のように、お客様の属性を簡単に書きます。これだけで、事例が一気にリアルになり、似た立場の方が「自分と同じだ」と感じやすくなります。
もちろん個人を特定できる情報はNGですが、業種・年代・地域くらいなら、ご本人の許可をいただいた上で十分掲載可能です。
③ 案件内容:3行で要約する
案件の背景は、長く書きたくなるところですが、ぐっと我慢して3行程度に要約します。お客様は、まず「これは自分と似ているか」をざっと見たいだけ。詳しい話を知りたくなったら、自然と次のセクションを読み進めてくれます。
④ 対処法:専門用語は必ず噛み砕く
ここが一番、書き手の力量が出るセクションです。やってしまいがちなのが、業界用語をそのまま使ってしまうこと。専任技術者、経営業務管理責任者といった言葉は、行政書士には常識でも、お客様にとっては初めて聞く言葉です。
使う場合は、必ずひと言で説明を添えましょう。
このひと手間があるかないかで、読み手の理解度はまったく違ってきます。
⑤ 解決ポイント:他の人にも役立つ「学び」を添える
事例の最後に、「この案件から得られる、一般化できる学び」を箇条書きでまとめます。これがあると、似たケースではない読者にも価値が届きますし、「この先生は、ただ手続きをしているだけじゃなく、ちゃんと考えてくれている」という印象を与えます。
- 個人から法人への切り替えは、許可の取り直しが必要
- 事業承継ではなく「新規取得」扱いになるので、書類の準備が想像以上に多い
- 法人化のタイミングで早めに相談すると、空白期間を最小化できる
事例を載せるときの注意点
必ずお客様の許可を取る
当たり前のことですが、事例を載せる前には必ずお客様の許可を取りましょう。口頭ではなく、メールや書面で記録を残しておくと安心です。文面は「○○様の事例を、属性を抽象化した上で当事務所のホームページに掲載してもよろしいでしょうか」と、簡潔で構いません。
個人特定につながる情報は書かない
会社名・氏名・具体的な金額・特定の地名(番地レベル)など、個人や法人を特定できる情報は書きません。「神戸市の製造業者」「30代男性の個人事業主」くらいの粒度で、十分にリアリティは伝わります。
誇張表現はNG
「100%成功」「絶対に取れます」のような誇張は、行政書士の品位を損なうだけでなく、広告規制上も問題になりかねません。実際の成果を、ありのまま書くことが結果的に信頼につながります。
開業直後で事例が少ない場合はどうする?
「開業したばかりで、まだお客様の事例がないんです……」というご相談、本当によくいただきます。でも、事例ゼロで公開するのと、3つでも載せて公開するのとでは、サイトの説得力がまったく違います。
こんな材料が使えます。
- 研修や実務経験で関わった案件(守秘義務の範囲内で抽象化)
- 前職で扱った業務(士業経験者の方)
- 「こういうご相談を想定しています」というモデルケース(架空であることを明記)
- 勉強会・セミナーで取り上げた事例
- 同業の知り合いと共同で対応した案件(許可があれば)
モデルケースを載せる場合は、必ず「※ 想定ケースです」と明記することを忘れずに。これは誠実さの問題でもあり、後々のトラブル回避にもつながります。
解決事例ページのチェックリスト
ご自身の解決事例ページに、以下が揃っているか確認してみてください。
- タイトルがお客様の検索する言葉で書かれている
- 属性情報(年代・地域・職業など)が入っている
- 案件内容が3行程度で要約されている
- 専門用語に噛み砕いた説明が添えられている
- 解決ポイントが箇条書きでまとめられている
- お客様の掲載許可を取っている
- 個人特定につながる情報は書かれていない
- 事例が最低でも3つ以上掲載されている
- 解決事例は、お客様の「私のケースは対応してもらえる?」という不安を解消する最強コンテンツ
- 5つの項目で型化する:タイトル・属性情報・案件内容・対処法・解決ポイント
- タイトルはお客様の検索ワードで書く。専門用語より、状況・成果・期間が分かる言葉を選ぶ
- 専門用語は必ずひと言で説明を添える。これだけで読み手の理解度が大きく変わる
- 掲載前にはお客様の許可を取り、個人特定情報は書かない
- 開業直後で事例が少ない場合も、研修・前職・モデルケースなど書ける材料はある
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