こんなご相談が来ました。「開業したばかりで、まずホームページをちゃんと作ろうと思っています。そうすれば問い合わせが来ますよね?」というものです。
正直に言うと、私自身も最初はそう思っていました。きれいなホームページさえあれば、検索から問い合わせが来るはずだと。
でも、今わたしは行政書士のWeb制作とは別に、産業廃棄物処理会社で新規営業の仕事もしています。そこで日々、展示会・飛び込み・テレアポ・Web広告と、いろいろな営業チャネルを実際に試して数字を見てきました。その結果、正直かなり意外な事実が見えてきました。今日はその話を、行政書士の新規開拓に置き換えてお伝えします。
Webからの問い合わせ、実はほぼゼロという現実
結論から言うと、Web広告や検索だけに頼った新規開拓は、中小企業相手だとほとんど成果が出ません。
産廃会社での新規営業では、展示会・飛び込み・テレアポ・Web広告と一通り試しました。その中で一番反応が良かったのは展示会です。一方でWebからの直接の成約は、正直なところゼロでした。
これは業界特有の話ではなく、「中小企業の経営者は、会って話したことのない相手をいきなり選ばない」という、もっとシンプルな理由だと思います。
なぜ「接点がある相手」しか動かないのか
理由は、中小企業の意思決定の仕組みにあります。
大企業のように比較サイトや稟議で淡々と業者を決めるのではなく、中小企業の社長は「この人なら任せられそうだ」という肌感覚で決めることが多いです。一度名刺交換した相手、紹介された相手は、すでにその肌感覚のハードルを一つクリアしています。逆に検索で見つけただけの相手は、ゼロからその信頼を作らないといけません。
つまりホームページは「信頼を作る道具」ではなく、「すでにある信頼を後押しする道具」と考えた方が実態に近いです。
行政書士事務所は「地場の中小企業」と同じ
ここがこの記事で一番伝えたいことです。
行政書士事務所のほとんどは、個人事業主か一人社長の小規模事業者です。つまり「中小企業の経営者にどう新規開拓するか」という話は、そのまま「行政書士事務所がどう新規開拓するか」という話に置き換えられます。
| 産廃会社の営業で学んだこと | 行政書士事務所への置き換え |
|---|---|
| Webからの直接成約はほぼゼロ、展示会(接触済み)が強い | 検索だけで他の士業に依頼が来ることは少ない。勉強会・紹介の方が強い |
| 紹介・人づてで回るケースが多い | 士業同士の横のつながりからの紹介が効きやすい |
| 社長は具体的な数字・リスクを示すと動く | 「対応しないとこういうリスクがある」という具体的な提示が効く |
| 担当者でなく決裁者に直接届ける | 一人事務所なら本人が決裁者。直接届く形が重要 |
今日からできる「接点づくり」の3つの型
順番に試しやすいものから並べました。
- 紹介をお願いしやすい仕組みを作る 既存のお客様・知人に「こういう方を紹介してください」と具体的に伝える。漠然と「お願いします」より、対象を絞った方が紹介は生まれやすいです
- 勉強会・交流会に出る 異業種交流会や士業同士の研究会など、「顔が見える場」に定期的に出る。一度の参加で結果を求めず、継続して顔を覚えてもらうことが目的です
- 接点を作った相手をメールでフォローする 名刺交換しただけで終わらせず、月1回程度、役立つ情報(制度改正、事例紹介など)をメールで送る。売り込みすぎず、思い出してもらうことに徹します
ホームページの役割を正しく位置づける
ホームページが不要、という話ではありません。順番の問題です。
接点ができた相手が「この人、ちゃんとした事務所かな」と検索したときに、きちんとした印象を持ってもらうための場所、それがホームページの本当の役割だと思います。集客の入口ではなく、信頼の後押し役として位置づけると、優先順位を間違えずに済みます。
まとめ
- Webからの直接の問い合わせは、中小企業相手だと正直少ない
- 中小企業(士業も含む)は「接点がある相手」を選びやすい
- まずは紹介・勉強会・接点フォローで「会ったことがある状態」を作る
- ホームページは集客の入口ではなく、信頼を後押しする場所として位置づける
行政書士事務所のホームページ、プロに任せませんか?DekiruDe合同会社は士業専門のWeb制作会社です。開業時の立ち上げからリニューアルまでお気軽にご相談ください。お問い合わせはこちら
この記事は、行政書士向けにWeb制作・集客支援を行うDekiruDe合同会社が、現場での営業経験をもとに執筆しています。
